株式会社オーラテック

はじめに

私が「マイクロバブル」の研究を始めた1990年代は、インターネットで検索しても100件にも満たないワードでした。しかしながら、今では200万件近い検索数が出ますので、ここ十数年の間に「マイクロバブル」が広く世に知られるようになったことは長年研究している一人としてとても嬉しく感じていますし、幅広く知られることで、いろんな分野の方々の研究材料となり、世の役に立つ存在になりつつあることは感慨深いものがあります。そのような中、「マイクロバブルシャワー」についてのご質問も数多くいいただくようになりましたので、Q&Aにて皆様の疑問にお答えさせていただきたく、新たに本コーナーを立ち上げることとしました。

株式会社オーラテック
代表取締役社長 江口 俊彦

マイクロバブルシャワーQ&A

Q5:最近は「マイクロナノバブルシャワー」という商品を目にしますが、本当にシャワーでナノバブルが出るのですか?
A5:「マイクロナノバブルシャワー」と称する商品を測定しましたが「ナノバブル」の発生は確認できませんでした。
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当社のシャワーは「マイクロバブル」ですが、研究用や工業用途には「マイクロナノバブル」や「ナノバブル」を発生する製品があります。ただし、この場合の発生方式は「特殊エジェクター方式」ではなく「加圧溶解方式」を使っていますが、バブルサイズを測定するにはナノ粒子の測定機器を使用します。

ただ、測定するものがナノ粒子なので、元々の水の中にゴミ等の粒子が混在していると気泡との区別がつかず、誤った測定結果を表示してしまいます。

そこでナノサイズのバブルを測定する場合は、まず先にバブルを発生させる前の水を測定し、その後でバブルを発生させた水を測定します。この作業を行うことで初めてナノバブルの測定ができます。

実はこの質問を受け、実際に「マイクロナノバブルシャワー」を謳った商品を測定してみましたが、結果から言えば何も発生していませんでした。このデータを見る限り、2つのデータはゴミなどの粒子を測定したものであり、以下のようなものでした。

データを説明しますと、赤色のグラフが元々の水で緑色のグラフがバブルを発生させた水です。
このデータを見る限り2つのデータの違いは測定上の誤差範囲であり、少なくとも「ナノバブル」が発生しているとは言えない結果となりました。

Q4:「マイクロバブル」と「ナノバブル」だと「ナノバブル」の方がより効果があるのですか?
A4:「ナノテクノロジー」という言葉は耳触りが良いですよね。ところが、バブルのサイズは「適材適所」ならぬ「適泡適所」、小さければ良いと言うものではありません。
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当社は20年近く「マイクロバブル」や「ナノバブル」の研究開発を行っていますが、その長年の研究でバブルサイズは、使用する目的によって最も適したサイズがあることが分かりました。

一例を挙げると…
ミリバブル
気泡径が数ミリの気泡
マイクロバブル
気泡径が数ミクロン
~数十ミクロンの気泡
ナノバブル
気泡径がナノサイズ
(マイクロ以下)の気泡
  • 比較的大きなゴミや油の粒を浮上させる
  • 酸素や炭酸ガスなどを溶解させる
  • 比較的小さなゴミや油の粒を浮上させる
  • 皮膚や食器に付いた汚れを取り除く
  • 酸素や炭酸ガスなどを効率的に溶解させる
  • 極めて微細なゴミや油の粒を浮上させる
  • 精密部品などについた極めて微細な汚れを取り除く
  • 酸素や炭酸ガスなどをマイクロバブルより更に高効率で溶解させる

これが言うところの「適泡適所」です。
つまり、シャワーとして使う場合のバブルサイズは、以下の実験結果からも小さければ小さいほど良いというものでもないようです。

デンプンを汚れに見立てた気泡サイズ別の洗浄テスト結果
洗浄テスト装置
気泡無し
気泡径(小)
気泡径(ピュアブル2基準)
気泡径(大)

このような検証や実験を重ね、ピュアブルから出る「マイクロバブル」は汚れ落としに最も効果が確認された自社基準サイズになるよう、熟練者の手作業により1/100mmの精度で1本1本細心の注意を払って作られています。

Q3:シャワーヘッドには外気を吸わないタイプと吸うタイプがあるのですが、どんな違いがあるのですか?
A3:「キャビテーション方式」は複数の条件が揃わないとバブルは発生しませんが「エジェクター方式」は一般的な給湯器に必要な圧力さえ得られれば、安定したバブルを発生することが可能です。
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外気を吸わないタイプ、吸うタイプはマイクロバブルの発生方式が違います。
吸わないタイプは「キャビテーション方式」といって、水に含まれる気体をキャビテーション現象で気泡にする方式ですが「エジェクター方式」や「旋回流方式」の吸うタイプは、外気を自動的に吸入して気泡を作る方式です。

先ず「キャビテーション方式」ですが、皆様もご存知のように水の中には程度の差こそあれ空気が溶け込んでいます。この溶け込んでいる空気を「溶存酸素」と言います。
この「溶存酸素」、実は季節や地域などによって、含まれている量が大きく異なります。
一例を挙げますと…

このようになります。
前述しましたように「キャビテーション方式」は、水に含まれる「溶存酸素」で気泡を作りますので、各々の家庭や季節によって気泡の出方は大きく違ってきます。

「キャビテーション」を起こすキャビテーション現象は、最低でも通常0.07MPaの圧力が必要です。しかしながら、国内の湯沸かし器の最低圧力は大体0.04MPaに設定されているようですので、マイクロバブルを謳うシャワーヘッドであればこの圧力でもバブルが出ることが必要でしょう。更に「キャビテーション方式」はシャワーの水温を低くして使った場合には、バブルはほとんど発生しなくなります。

皆さんもご存じだと思いますが、水に含まれる酸素量は水温に左右されます。したがって、水温が低いと含まれる酸素量は増えますが、水温が高くなると少なくなります。この水温別の飽和量を「飽和溶存酸素量」と言います。

例を挙げて説明すると、冬場の水道水には比較的多くの酸素が溶け込んでおり、この水が水道管を通って各家庭に届きます。冬場にシャワーを使うときはこの水を沸かして使いますので、お湯になった時点で「飽和溶存酸素量」が下がりますので、溶けきれなくなった分がバブルとなって出てきます。
この自然現象は、冬場に蛇口から「白く濁ったお湯」が出てくるのをご覧になられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

逆に夏場の水道水に含まれる酸素は少なく、水を沸かして「飽和溶存酸素量」が下がっても元々の酸素量が少ないので、バブルはほとんど出なくなります。

次に「エジェクター方式」ですが、ピュアブル2に組み込まれている当社独自の「特殊エジェクター方式」(オーラジェット)は湯沸かし器の最低圧力0.04MPaより低い0.035MPaで空気を自吸し発生できるようになっていますので、ほぼ全てのご家庭で季節や水温を問わず安定した「マイクロバブル」をお楽しみいただくことが出来ます。

説明が長くなりましたが、このようにキャビテーション方式で作れるバブルは水の中に溶け込んでいる酸素量や水道の圧力等によって決まりますので、どこのご家庭でも季節を問わずに安定してバブルが出るとは断言できないのです。

Q2:シャワーの水にマイクロバブルが入っていると洗浄力が高くなると聞きますが、どのようなメカニズムでしょうか?
A2:シャワー水にマイクロバブルが入っていても、水に勢いが無ければ洗浄効果は期待できません。
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例えば「Q2」のような洗浄実験を行う場合、マイクロバブルを含んだ水に勢いが無ければ汚れはほとんど落ちません。これは某技術研究所の論文にも「気泡が対象物の表面を走る」と結論付けられています。 つまり、マイクロバブルは「勢いのある水」に含まれることで対象物(皮膚)の表面を走る訳です。 分かり易く説明すれば、勢いのある水に含まれている気泡が皮膚表面を走ることで、付着した「汚れ」や余分な「皮脂」を泡の力で洗い流してくれる訳です。 質問者さんもお分かりと思いますが、汚れが付着したものを水の中にただ浸けておいても汚れはほとんど落ちませんよね。

Q1:「マイクロバブル」が出ると水が白濁するのですか?
A1:「マイクロバブル」が出ているからといって、水が白濁するとは限りません。
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バブルで水が白濁すると、初めて目にする方は先ず驚きます。しかしながら「マイクロバブル」が出ているからといって、必ずしも白濁することはありません。つまり、バブルで水が白濁するには幾つか条件があります。その条件を経験則で申しますと…

バブルサイズが数十~数百ミクロンであること
バブル数が500,000個/cc(5億個/L)程度以上存在していること

このようになります。
したがって、バブルサイズやバブル数がこの条件から大きく外れると白濁が薄くなったり、または全く白濁しなかったりします。

当社では「エジェクター方式」「キャビテーション方式」「旋回流方式」「加圧溶解方式」の4つの特許を保有していますが、諸条件に左右されることなく安定して水を白濁させる方式は唯一「加圧溶解方式」だけです。 これでお分かりいただけたかと思いますが、シャワーヘッドだけで白濁するような商品あるとすれば、それは(A3)で説明の「自然現象」等を巧みに利用して撮影されたものと考えられます。