国際半導体展示会、九州の40社・団体出展 洗浄技術訴求も
12月11日~13日ビッグサイトにて国際半導体展示会に出展し、日本経済新聞、九州版に掲載されました。
セミコン・ジャパンの九州パビリオン(13日、東京・江東)
国際的な半導体展示会「セミコン・ジャパン」が東京ビッグサイト(東京・江東)で11〜13日に開かれ、九州からは約40の企業・団体が出展した。初出展となったオーラテック(福岡県筑後市)が半導体洗浄向けに超微細な水滴を超高速で噴射する技術をアピールするなど、ユニークな技術や商品を持つ企業が国内外に自らの技術を売り込んだ。
「当社の洗浄技術を試したいという日本企業に出合えた。これがビジネスにつながれば」。オーラテックの江口卓取締役は期待する。会期中に同社のブースを訪問したのは12社。決して多いとはいえないが、インドや台湾といった海外企業の担当者の姿もあったという。
今回展示したのは3ミクロン(ミクロンは1000分の1ミリメートル)と超微細な水滴を作り、音が伝わる速度に近い秒速200メートル超で噴射するノズルだ。半導体の洗浄への応用を狙い、24年1月から販売している。
半導体の洗浄工程は数百から1000ともいわれる製造工程全体の約3割を占める。ナノ(ナノは10億分の1)メートル単位の汚れを取り除き、歩留まりを高めるためになくてはならないプロセスだ。
オーラテックのノズルは、水滴を小さくすることで、狭い隙間に入る妨げとなる表面張力も低減。半導体の微細な回路にも水滴が入り込み汚れを落とす。音速に近い速度で飛ばすことで洗浄力も高くなり、使用する水の量の削減も見込めるという。
オーラテックは1986年に創業。水や気体を細かくする技術に強みを持つが、同社はこれまで浴室で使うシャワーヘッドや化粧品で知られてきた。特にシャワーヘッドは工場を構える同県久留米市のふるさと納税返礼品として大人気だ。
今回は、別の事業でつながりができていた福岡県新産業振興課から情報提供を受けて県のブースに申し込み、出展にこぎ着けた。江口俊彦社長は「国内の半導体産業の復権に少しでも力になれば」と話す。